プロパンガスの解約について |
我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
導入過程の重要ポイント、経験して初めて知った事など、体験談をご紹介します。
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建売住宅の場合 |
一戸建てにお住まいの方、あなたの家のプロパンガス配管の所有者は誰ですか? 殆どの方は「そんなの俺のものに決まってるじゃないか!」と言うかもしれません。ところが、実は違ったりするのです。書類上はプロパンガス会社の所有物になっていることが多いのです。 新築の家に引っ越してきたとき、ガスの開栓作業に来た業者さんに出された書類にハンコを押していませんか? 多分すっかり忘れていたと思いますが、書類が残っているはずなので、探してみてください。 どんな書類だか分からない方のために、我が家の書類の画像を掲載しました。 曰く、「弊社所有の『消費設備』は裏面の記載内容の通りです。」 曰く、「弊社所有の『消費設備』は・・・お客様に買い取りして頂きます」 こんなことが書いてありませんか? 私もしっかりハンコを押していました。引越しでガタガタしてる時、早くガスを使いたい一心で、説明も上の空でハンコを押してしまうケースが多々あります。 ガスの設備は大きく2つに分けられます。ガスメーターまでの『供給設備』とガスメーター出口から燃焼機器までの『消費設備』です。 一般に、『供給設備』はガス会社の所有です。一方、問題なのが『消費設備』の所有権です。業者と交わした書類には『消費設備』がガス業者の所有であると書いてあるはずです。 これが、トラブルの種になることがあります。プロパンガスの契約を打ち切るときに、『消費設備』の買取を請求されるのです。築年数が浅い場合、結構バカにならない金額です。 ところで、どうしてこういうことが起こるのでしょうか? プロパンガス業界の悪しき慣習とでもいうのでしょうか。建築会社が家を建てる時、プロパンガス業者がタダで配管工事をするのです。そのかわり、その時点でその家のプロパンガスを供給する業者は自動的に配管をした業者に選定されます。建築会社としては、工事費が浮くかわりに、有無を言わさずプロパンガス業者を決めてしまうわけです。このもたれあい体質が問題の本質だと思います。プロパンガス業者はガスを売って十分儲け、工事費を回収できます。 ところが、プロパンガス業者が工事費を回収できるほど儲けないうちに契約を解除されると、工事費を消費者に負担させてしまうということなのです。 そして、「液化ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律第14条」はある意味で、これにお墨付きを与えているわけです。 果たして本当に払わなければならないのでしょうか? さあ、ここでもう一つ、文字通り重要な書類が登場します。家を購入するときの「重要事項説明書」です。これも大事に取ってありますか? この書類のガス設備の欄に、購入者の負担無しと書いてあれば、基本的には、払う必要はありません。 本来、プロパンガス会社が設備費を請求すべき相手は、家を買った人ではなく家を建てた建築業者です。なぜなら、ガスの『消費設備』が設置された時点の家の所有者は建築業者だからです。本来、プロパンガス業者は建築会社に工事費を請求し、建築会社はその費用も含めて家の売値を決定するのがスジです。「重要事項説明書」記載の通り、家の購入者は引き渡し時点で既に建物に付随しているものをまとめて所有するはずなので、『消費設備』は買い手に所有権があるべきです。 でも、プロパンガス業者と交わした書類にも署名・捺印してしまっています。二つの矛盾した書類が存在することになるのです。 「重要事項説明書のガス設備の欄に、購入者の負担無しと書いてあるから、消費設備の買い取りは拒否します」と言っても、「はい、そうですか。それでは払わなくて結構です」と簡単に引き下がる業者は少数派でしょう。 これは裁判沙汰にまで発展した例があります。ただし、オール電化にする場合ではなく、プロパンガス業者を変更した場合でのことです。プロパンガス業者を変更した場合、新しいプロパンガス業者は前の業者が設置した配管をタダで使えてしまいます。 前の業者はガスの売上を失うと共に、せっかく工事した設備をみすみす新し業者にタダで使われてしまうのですから面白くありません。当然、消費者か新しい業者に配管設備費を請求してくるわけなのです。 さて、私は結局、『消費設備』は自分の所有物であることを認めさせ、解約に当たり『消費設備』に関しては、びた一文払っていません。 さて、それでは、私がどのようにプロパンガス業者と交渉したか、その経緯を紹介します。多分に巡り合わせが良くてラッキーだった面がありますが、良く分析してみると、いくつかのポイントが見えてきます。 |
付録:プロパンガス業者に渡した文書について |
私がプロパンガス業者に手渡した文書は以下の通りです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平成15年07月19日 厚木市○○○○○○○○○○○ (株)△△△△ガスセンター御中 八王子市□□町※△※△−△ ◎◎ ◎◎ LPガス確認書内容変更依頼の件 下記の内容から、八王子市□□町※△※△−△の建物におけるLPガス消費設備の所有権は、建物の所有者である私◎◎◎◎と共同所有者である◎◎◎◎に帰属すると考えられる。従って、LPガス設備確認書の記載の内、総ての消費設備について、御社の所有ではない旨に速やかに訂正するよう申し入れる。 記 1.交付された書面には、LPガスの供給を御社から受ける旨の記述がなく、 契約期間も記載されていないことから、該書面はガスの販売契約書とは認 められない。 2.交付された書面には、御社が消費設備を私に貸与するとの記載がなく「消 費設備」の「費用」が減価償却費なのか、賃貸料なのかも明確でないこと から該書面は消費設備の貸与契約とは認められない。 3.交付された書面には、工事費用額は明記されているが、御社を含めて誰が 費用を負担したかが明記されていない。さらに、御社が設置工事を行った とも書かれていない。 4.引越当日のあわただしい時に本書面を交付され説明を受けたが、冷静な判 断が出来る状態ではなく、私は書面の内容を十分理解していなかった。 (少なくとも「お知らせの各条項をくまなく見る余裕は無かった」)また、 もしもその場で捺印を拒否した場合、すでに引っ越してきてしまったにも かかわらず、ガスの供給が受けられない不都合が容易に予測されたので、 やむを得ず捺印をした。 5.建物と消費設備との附合が生じた時点での不動産の所有者は建築会社であ り、利益を受けたのは建設会社であって、消費者ではないので、消費設備 の買い取り請求先は建設会社であることが妥当である。 6.建売住宅の販売契約時の重要事項説明書には「設備負担無し」としか記載 がなく、水道の屋内配管や電気の屋内配線と同様、当然に建物の引き渡し と同時に建物所有者の所有物となるとしか解釈できない。 以上 【解説】 (財)エルピーガス振興センターのHPから、「LPガス販売指針(LPガス取引適正化・料金情報提供に関する自主的取り決め)平成12年9月制定、平成15年4月改訂」というPDFファイルをダウンロードできます。その中に以下のような記載があります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 既存契約の中には、1)消費配管の工事費用は販売業者が負担している(消費者は負担していない)こと、2)消費者は、貸与される消費配管を使って当該販売事業者からLPガス供給を受けること、3)消費者が、その都合で販売契約を中途解約するときには、約定に定めた計算式で求めた代金(費用)を支払って、当該販売事業者の負担している工事費用を精算することを販売契約書で合意したものがあります。その場合、販売事業者が、販売契約を結ぶ際に、消費者に契約内容を十分に説明し、消費者の理解を得ているときには、中途解約を申し出た消費者に対して、約定の代金を(費用)を請求することができます。 [参考] 消費配管が、建物と一体のものとなっている場合には、原則、建物所有者(消費者)にその所有権があるとされています。(民法第242条「不動産の附合」) 例外は、LPガスの販売契約を結ぶ際に、販売事業者から消費者(建物所有者)に対して、消費配管の所有権が販売事業者にあることを充分に説明し、消費者の了解を得られた場合です。消費配管の所有権が販売事業者にあることを明記した液化石油ガス法14条書面への消費者の捺印、中途解約時に屋内配管を残存価格で買い取る約定の販売契約などが、消費者の了解の証左となります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 私の書面の1、2、3、4、5は上記を意識して書いたものです。 まずは、そもそも交付された14条書面は「ガスの販売契約」の体をなしていない、消費設備の「貸与契約」の体をなしていないので、元から「契約」と呼べるもの自体が無かったじゃないか!と主張したのです。 次に「消費配管の工事費用は販売業者が負担している」とはどこにも書いていないので、その証拠がないと主張し、さらに、充分な説明を受けた上で納得して捺印したわけではない、と畳み掛けます。 そして、民法242条を持ち出して、原則論を振りかざします。 それでは、例外の「液化石油ガス法14条書面」にはどう反論するか。 財団法人 エルピーガス振興センターのHPから「家庭用LPガスの取引に関するQ&A」というPDFファイルをダウンロードできます。その中でに以下の記載があります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 通常、「配管施工費を業者が負担したから」、「配管は業者所有とした賃貸契約を結んだから」という理由だけでは、配管所有権が販売店に帰属するわけではありません。一般的に建売住宅の場合には、住宅購入時に家屋と屋内配管とは一体のものとして消費者に引き渡されるため、配管の所有権は家屋所有者に帰属すると考えられます。ただし、住宅購入時に「屋内配管はLPガス販売店が所有する旨の書面の交付及び明確な説明を受けている場合は、配管代を払わなくて良いとは限りません」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 重要なのは「住宅購入時に」というところです。「入居時」ではありません。「住宅の売買契約を結ぶ際に書面の交付と説明」を受けていなければ、「入居時」に「配管は業者所有とした」14条書面を取り交わしていても、配管代は払わなくて良いと解釈できます。従って、住宅の売買契約を結ぶ際の「重要事項説明書」が文字通り重要なのです。 私は、ガス業者が私の文書に対して反論したら、上記の「LPガス販売指針(LPガス取引適正化・料金情報提供に関する自主的取り決め)平成12年9月制定、平成15年4月改訂」と「家庭用LPガスの取引に関するQ&A」を印刷したものを見せて逆襲しようと思って手ぐすね引いていました。 しかし、ガス業者は文書を読んだだけで、出典が何かをすぐに悟ったようで、「わかりました」と言っただけでした。おそらく、反論の余地がなかったのではないでしょうか? |
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注文住宅の場合 |
今回は、注文住宅におけるガスの消費設備の所有権に関する記事です。 (財)エルピーガス振興センターのHPの販売事業者のページから、冊子「LPガス販売事業者の進むべき方向」のPDFファイルをダウンロードできます。このテキストは経済産業省の補助事業として作成し、既に都道府県協会を通じLPガス販売事業者に配布したものだそうです。 その第1章「LPガス取引適正化」『4.契約上の留意点』に次のような記載があります。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (1)注文住宅について 建築主(注文者)が、元請会社との建築工事請負契約に関して、次の1、2の点を認識したうえで、販売契約を結ぶことが肝要。 1.元請会社との建築工事契約の内容に「消費設備(LPガスの屋内配管等) 工事が含まれていないこと」 (請負契約書に添付されている見積書に消費設備工事の費目と代金の記載 が無い事実を要確認。裁判での立証上、極めて大切) 2.元請会社のLPガス設備工事費の負担がない場合の消費設備工事の代金 は、施工した○○社(LPガス販売会社)が負担し、同社との買い取り 中止の際に、建築主が残存額で○○社から同設備を買い取る(又は、設 備工事代金の精算をする)こと 3.建築主とLPガス販売業者間で、「取引中止時の消費設備買取(又は工 事代金精算)」の約定を記載したLPガス販売契約を締結する −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− これは、業者側の立場で書かれた文書、要するに「どういう契約だったらガスの契約を解除されたときに工事費を消費者に請求できるか」という条件なので、この逆なら良いわけです。 まずは、「請負契約書に添付されている見積書に消費設備工事の費目と代金の記載」があればOKです。 次に、上記2が問題になりますね。建築工事契約の際に「消費設備工事の代金は、施工した○○社(LPガス販売会社)が負担し、同社との買い取り中止の際に、建築主が残存額で○○社から同設備を買い取る(又は、設備工事代金の精算をする)こと」を説明されていなければ、そんな話は知らなかったと主張する余地はあるでしょう。そうは言っても、3のようなLPガス販売契約を締結してしまっていると弱いでしょうね。注文住宅の場合、建売住宅と違って買い手自身が建築主なので、「ガス設備の設置の経緯は知らない」という論法はなかなか通りにくいと思います。 私は注文住宅を建てた経験がないので良くわからないのですが、契約の際に重要事項説明書があるのなら、そこに記載されている内容が重要です。 すでに注文住宅を建ててしまった人は、もう一度契約書や重要事項説明書を見直して頂くとして、これから注文住宅を建てる人は、上記のような契約を結ばないように注意すべきです。 要するに、「配管工事代は元請会社が負担してよ!」って交渉し、だめだったら、配管工事代は自分で払い、「取引中止時の消費設備買取(又は工事代金精算)」の約定を記載したLPガス販売契約を結ばないことですね。 もっとも、これから注文住宅を建てるのなら、最初からオール電化&太陽光発電のいわゆる光熱費ゼロ住宅を建ててしまった方が良いのは言うまでもありません。 私ももう1年早くオール電化の事に興味を持っていたなら、最初からそういう家を建てていたことでしょう。 |
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