太陽光発電:ハイブリッド型パネルの徹底分析 −その2− |
我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
導入過程の重要ポイント、経験して初めて知った事など、体験談をご紹介します。
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はじめに |
今まで掲示板の中で、三洋のHIT(ハイブリッド型)太陽電池の発電効率や耐久性が話題になりました。なかなか情報が少なくて、実際どうなのかが良く分かりません。 私としても大変興味があるのですが、メーカーに問い合わせても、論文を紹介されるだけで、たらい回しにされるし、NEDOに質問のメールを送っても無しのつぶて・・・。 こうなったら自分で考察するしかありません。 もしかしたら間違ったことを書くかもしれません。でも、やらないよりは良いでしょう。 異論、反論、大歓迎です。掲示板なりメールなりで、どしどしお寄せ下さい。 |
今回の検討内容 |
「サンヨー製太陽光発電はシミュレーションより実際の発電量の方がかなり良いのです。」 掲示板に書き込まれた一言に、私は非常に興味をかきたてられました。「かなり」って、どのくらい良いのだろう? なんで良いのだろう? でも、書き込んだご本人からは結局、具体的なデータも納得のいく理由も示されませんでした。 今回は、この点について考えてみます。 |
検討:その1 |
掲示板の中で、以下のようなコメントを頂きました。 「出力検査を行うのに、サンヨーは1枚1枚が基準を満たさないと合格とはならない(HIT200の場合だと、全てのパネルが200w以上の出力)のに対し、サンヨー以外のメーカーは、複数のパネルで、発電容量×枚数の基準を満たせば合格となる。その為、表示発電量よりも低いパネルも存在するということですね。 サンヨーの3.0kwシステムの場合、外れのパネルばかりを引いたとしても3.0kwの能力はあるということです。(販売店の経験によると、だいたい3.1kwぐらいが平均だそうです。)」 「サンヨーさんの場合、おっしゃる通りなんですが200を目指して作ったものが200に届かなくて190として出てきてる事が多いようなので、190は限りなく200に近く、200は200を超えていますが200に近いということではないでしょうか。 価格面を考えると200を選択するよりも190を選択したほうがお得なのではと考えます。」 なるほど、 「実際に設置されたパネルの発電容量が公称定格値よりも大きいことが多い」 のが一つの理由なんですね。これは納得です! でも、3.1/3.0=1.03333・・・・・。たった3.3%では「かなり」というには少なすぎます。 他に理由はないのでしょうか? (注:我が家のパネルはシャープですが、12枚全てが表示発電量を超えていました。 京セラを導入した方からも、全てのパネルが表示発電量を超えているという情報が 寄せられています。各社の出荷検査基準は明確には分かりませんが、『サンヨー以外 では、必ず表示発電量よりも低いパネルが入っている』、というわけではありません。 誤解しないで下さい。メーカーの方から検査基準に関して情報を頂ければ幸いです。) |
検討:その2 |
基本に戻って、各社の太陽光発電シミュレーションをもう一度見直してみました。 各社のシミュレーションの前提条件から計算に用いている年間平均のシステム効率を算出し、シミュレーション結果との比較をしてみました。 結果を下記の表にまとめました。 強いて言えば、シャープのシミュレーション値がやや多め、三洋のシミュレーション値がやや少なめですが、その比は2%にも満たないので大勢に影響はないでしょう。 各社のシミュレーション結果は、前提としているシステム効率と2%以内の誤差で対応しており、メーカーシミュレーションに問題はなさそうです。 |
検討:その3 |
さて、それでは販売店が示すシミュレーションはどうなのでしょうか? そんなものは、なかなか手に入りませんね。 しかし、ここに貴重なデータがあります。 掲示板でみーひゃ様が業者が提示した事前予想発電量と設置条件を公開して下さいました。 【設置条件】 場所 :千葉県西部 方位(南中心): -30.0度・・・1.20kw、-120.0度・・・0.60kw、60.0度・・・1.20kw 傾斜角 :27.0度 【事前見積】 1月・・・220kW 2月・・・221kW 3月・・・271kW 4月・・・296kW 5月・・・339kW 6月・・・277kW 7月・・・298kW 8月・・・332kW 9月・・・238kW 10月・・・209kW 11月・・・176kW 12月・・・194kW 年間・・・3071kW それでは、このシミュレーション値を検証してみましょう。 【京セラHPシミュレーション】 なんでここで京セラが出てくるのかと言うと、京セラHPのシミュレーションが方位角を一番細かく設定できるのです。また、上記表を見て分かるように、京セラと三洋のシミュレーションは平均システム効率に対する割合が近いので、三洋に換算するときの誤差が少ないです。傾斜角は30度で計算しましたが、30度と20度の差が1%くらいしかありませんので、誤差はほとんどありません。 それぞれの方位角での年間発電量(千葉県千葉市)は、 -30.0度・・・1.20kw:1248kW -120.0・・・0.60kw:1168kW 60.0・・・1.20kw:467kW 合計:2883kW 「検討:その2」で求めた「年間平均システム効率」で、京セラ(多結晶)から三洋(HIT)に換算すると・・・。 2883kW/71.5×80.5=3246kW え、あれ? 3017kWより多いぞ! もとい、事前見積はメーカーシミュレーションで出てくるはずの3246kWより少ないぞ! これなら、事前見積よりたくさん発電しても不思議ではないですね! 3071/2883=1.065、 3246/3071=1.057 この3071という数字は絶妙です。 多結晶の2883よりは多いので、「HITは効率がいい」というセールストークが使えるし、HIT本来の実力よりは控えめなので、「HITは見積より発電量が多い」というセールストークも使えます。 今回の例だけで、全ての販売業者がこういう発電見積を出しているとは結論づけられませんが、こういうケースもあるということは頭の片隅に入れておく必要があると思います。 結局、「サンヨー製はシミュレーションより実際の発電量の方がかなり良い」のかどうか、明確に肯定も否定もできないので、この問題については、引き続き検討してみたいと思います。 |
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