事例研究:悪質(悪徳)訪問販売の手口 |
我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
導入過程の重要ポイント、経験して初めて知った事など、体験談をご紹介します。
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本 編 |
この事例は実際にあるご家庭で訪問販売業者に騙されて危うくとても高い価格でオール電化&太陽光発電を購入しそうになった事例です。私のサイトの掲示板でご相談を受け、やめる事をお勧めした結果、結局は解約して難を逃れたケースです。 ご本人の了解を得て訪問販売業者が提示した価格見積書と収支見積書の一部を公開して解説します。 見積書はオール電化&太陽光発電だったのですが、以下は太陽光発電の部分だけを抜粋しました。 太陽電池モジュール(4.2 kW) 98,000×24枚=2,352,000 パワーコンディショナー 350,000 接続箱 45,000 ラックシステム 10,000×24枚= 240,000 ------------------------------------------------------------------- 小 計 2,987,000 ------------------------------------------------------------------- 値引き 87,000 ------------------------------------------------------------------- 2,900,000 工事費(モジュール設置・架台設置) 300,000 電気工事費(東京電力申請手続き・立会い検査費用含む) 300,000 ------------------------------------------------------------------- 合 計 3,500,000 これを見て「高い」と思わなかった方、当面、オール電化&太陽光発電の購入は見送りましょう。 もっと情報収集が必要です。工事費込みで、83万円/kWはかなり高いです。 しかし、これだけで悪質(悪徳)業者とは言えません。定価よりも高い価格を吹っかけているわけではありませんので。ただ、価格競争力がないだけです。 さて、問題は次の損益計算見積書です。 1.オール電化&太陽光発電導入前の光熱費 電気代11,300円+ガス料金15,100円=26,400円 2.オール電化&太陽光発電導入後の光熱費 電気代6,700円+ローン31,289円=支払総額37,989円 支払総額37,989円−発電月額10,325円=実質支払額27,664円 従来光熱費26,400円−実質支払額27,664円=△1,264円 3.発電月額計算根拠 4.2kW×日照6h/日×売電単価25.45円/kwh×晴天23日/月×効率70%=10,325円 つまり、ローンで払っても、一ヶ月当たり現在の光熱費+1,264円でオール電化&太陽光発電が実現するという損益計算見積書です。 「これだったら買ってもいいかな?」と思った方、当面、オール電化&太陽光発電の購入は見送りましょう。 この中には大ウソの数字があります。どこだか分かりますか? 正解は「2.新光熱費」の「電気代6,700円」です。 オール電化にするということは、今までガスで行っていた給湯とコンロを電気でまかなうのですから、発電分を差し引く前の電気代が従来より安くなることはあり得ません。 ご家庭のライフスタイルによって異なりますが、大体、従来電気料金の1.5倍くらいになります。11,300円×1.5=16,950円ですから、約1万円も少なく見積もっているわけです。 さて、実はこの損益計算見積書にはもうひとつ落とし穴がありました。 それは「3.発電月額計算根拠」です。この10,325円という値は決しておかしくはありません。ただし屋根が南向きだったらの話です。このお宅の屋根は東西方面に傾斜しており、東西それぞれ半分ずつパネルを載せるという計画だったのです。その場合、効率はさらに約2割減になりますから、発電月額の見積もりは、8,260円が正しいのです。プロならば当然知っているはずですし、現地視察もしているのですから、意図的に南向きで見積もったとしか思えません。 かくして合計約12,000円/月もゲタを履いたオール電化&太陽光発電の損益見積書が出来上がりました。 つまり、高く売るために実際とはかけ離れた損益見積書を出しているのです。 今までの光熱費+13,264円かかりますって言ったら誰も買いませんから。 でも、オール電化&太陽光発電について予備知識が無かったら、こんなウソは見抜けませんよね!全国各地でこのような見積書に騙されて高い買い物をしてしまう方がいるかと思うと胸が痛みます。 何度でも言います。訪問販売で即決してはいけません。必ず他の業者から相見積もりをとりましょう。そして、情報収集は契約する前にしてください! |
続 編 |
ところで、このご家庭では、クーリングオフの期間が過ぎていたために、解約違約金3万円を請求され、払ったそうです。ある意味では賢明な選択でしょう。3万円をめぐってこれ以上もめるのは面倒です。 でも、もしも請求額が10万円、20万円だったらどうでしょう?「はい、そうですか」と簡単に払う気にはなりませんよね。そこで、今回のケースでは解約違約金は払わなくてはならないのかを考察してみたいと思います。 私は弁護士ではないので断定的なことは言えませんが、結論としては払わなくて良さそうです。 ご紹介したケースで一番の問題は、光熱費の収支見積が常識的に考えられる値とは大きく異なる点でした。約12,000円/月もランニングコストを少なく見積もっていたのです。 消費者契約法に以下の記載があります。 第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。 一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認 つまり、オール電化&太陽光発電の購入に際して非常に重要である光熱費の収支に関して事実と異なることを告げられ、その内容が事実であると誤認して契約した場合には契約を取り消せるのです。 また民法第96条には「詐欺又ハ強迫ニ因ル意思表示ハ之ヲ取消スコトヲ得」とあります。騙されて結んだ契約は、取り消すことができます。 あの収支見積書は当業者であれば大嘘であることは容易に分かりますから、事実と異なることを故意に告げた(騙した)ことは明白です。 聞くところによると、光熱費がこんなに安くなりますとか、売電額がこんなに多くなります、という話に騙されて購入し、実際には全然違っていて不満に思っている方がずいぶん大勢いらっしゃるとのことです。 これって実は詐欺なんじゃないかなって思います。刑法の詐欺罪(刑法246条)が成立するためには、 1.財物または財産上不法な利益を得るために、 2.人を欺き、 3.その行為によって相手が錯誤(勘違い)に陥り、 4.その錯誤に基づいて財物を交付、または利益を得させたこと、 が必要ですが、 1.不法な売り上げ利益を得るために、 2.光熱費の収支についてウソをつき、 3.それによって消費者が十分元が取れると勘違いし、 4.その勘違いによってオール電化&太陽光発電を購入して利益を得させた ことになるのではないでしょうか? 刑事罰を問えないまでも少なくとも損害賠償請求くらいできそうな気がします。 以上はあくまでも私の考察なので、実際には弁護士、司法書士等に相談して下さい。まずは、消費者センターに相談するのが一番です。 言いたいのは、例えクーリングオフの期限が切れていても、契約を解除できる可能性があるので、あきらめないで欲しいということです。 そして、もっと言いたいのは、そういう事態に陥らないためにも、オール電化&太陽光発電の予備知識無しに契約を結んでしまわないで欲しいことです。 |
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