エコキュート:え、ホント? 370Lより460Lの方が省エネ? その1 |
我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
導入過程の重要ポイント、経験して初めて知った事など、体験談をご紹介します。
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1.きっかけと概算 |
「オール電化:エコキュートの上手な使い方2 −運転モードと沸き上げ温度−」を 考えているうちに、とっても単純だけど意外な盲点に気付いてしまいました。 それは、貯湯器の容量で効率(消費電力)が違うのではないかということです。 エコキュートの代表的な貯湯量は370Lと460Lです。 460Lで最低沸き上げ温度65℃の場合、65℃×460L=663L/43℃換算。 370Lで同じ熱量を蓄えるには、(663L×43℃)/370L=77℃ なんと、77℃まで沸き上げなければいけないじゃないか!!! しかも貯湯器の放熱ロスも考慮する必要があります。 ここで、外気温16℃、沸き上げ直後の水温65度の場合、夜までに水温が5℃ 低下して60度になると仮定します。(経験的に大体そのくらいです。) そうすると、460Lの場合には、実質的に60℃×460L=642L/43℃換算の熱量 が蓄えられることに相当します。370Lの場合は74.6℃に相当します。 夜の時点で370L×74.6℃の熱量を確保するための沸上温度を(74.6+X)℃と します。 X℃分は放熱で温度が下るという考え方です。 放熱量は温度差とタンクの表面積に比例すると仮定(近似)します。つまり、 放熱量=温度低下×湯量 ∝ 表面積×(湯温−外気温) さて、タンクの表面積を概算してみましょう。円柱形のタンクを想定します。 正確にはわかりませんが、カタログの図面を見ると、370Lタイプのタンクの 外半径が約30cmのようです。肉厚を3cmと仮定すると、内半径は27cmです。 円の面積は0.27m×0.27m×3.14=0.228906u。370L=0.37m^3。 円柱の高さ(内寸)は0.37÷0.228906=1.62m。外寸は1.62+0.03×2=1.68m 表面積は、0.228906u×2+0.27×2×3.14×1.68≒3.31u となります。 同様に460Lタンクの外表面積を計算すると、 0.2826u×2+0.3×2×3.14×1.69≒3.75u となります。 ということは、 放熱量=温度低下×湯量 ∝ 表面積×(湯温−外気温) にあてはめると、 5℃×460L : X℃×370L = 3.75u×(65-16)℃ : 3.31u×(74.6+ X -16)℃ X℃×370L×3.75u×(65-16)℃ = 5℃×460L×3.31u×(74.6+ X -16)℃ これを解くと、X≒7.4℃。 つまり、370Lでは、74.6+7.4=82℃まで沸き上げる必要があります。 我が家のエコキュートの場合で考えてみます。 ヒートポンプユニットのCOPは「オール電化:エコキュートのCOPの推定」で 算出した式を使います。 COP(Ta,Tw)= -0.051*Tw + 0.0756・Ta + 5.0111 外気温16℃で、水温17℃の水460Lを65℃に熱する場合、必要な熱量は、 65 ∫{460L/COP(16,Tw)}dTw=(数値計算)=6780kcal 17 水温17℃の水370Lを82℃に熱する場合、必要な熱量は、 82 ∫{370L/COP(16,Tw)}dTw=(数値計算)=9080kcal 17 その差は2300kcal=2.63kWh。月に約80kWh、年間で約480kWhの省エネです。 80kWh×12ヶ月×8年×7.3円=56,064円。 機器費が3割引なら、約8年で460Lと370Lの価格差は取り戻せます。 6780kcal=7.75kWh=定格2kW×3.875時間 9080kcal=10.38kWh=定格2kW×5.19時間 しかも、ヒートポンプユニットの稼働時間は460Lの方が短いので長持ちする? えー、ホントかなあ・・・。なんか計算違ってるかな??? ただし上記は、60℃×460L=74.6℃×370L=642L/43℃換算の湯を毎日使う 場合です。370Lのエコキュートを能力一杯近く使うケースと思われます。 例えば5、6人家族とか、停電や故障のリスクを回避して常に「深夜のみ多め」 で運転している場合などが該当するでしょう。 一般家庭のモデル(人数多めらしい)では、420L/43℃換算とのことです。 370L×60℃=516L/43℃換算なので、通常は沸き上げ温度の下限値65℃で も賄えるという計算になります。 100Lほどの余裕を見るとすれば、まあ、ギリギリの線ですね。 1日の使用量が少ない家庭でも、258L/43℃換算ということは稀だと思うし、 2日分の温度低下を考えると、さすがに2日分はもたないでしょう。 では、大きなお世話で75℃まで沸き上げてしまう場合はどうでしょうか? タンク容量370Lの場合、 65 ∫{370L/COP(16,Tw)}dTw=(数値計算)=5454kcal 17 75 ∫{370L/COP(16,Tw)}dTw=(数値計算)=7363kcal 17 で、その差は1909kcal=2.18kWh。 タンク容量が430L、460Lの場合は、それぞれ2.54kWh、2.71kWh。 そりゃあ、隔日運転したくもなりますねえ。たぶん、お湯も足りるし・・・。 この場合、タンク容量が大きいほど増エネになってしまいます。 どうも、使用湯量、外気温、最低沸き上げ温度の違い、足りない分を沸き増す、 などを考慮しないと、一概に460Lの方が省エネとは言えないようですが、370Lで ぎりぎり湯量が足りるようなケースでは、460Lの方が消費電力を少なくすることが できそうです。 これは引き続き考察したい問題です。(無理せずボチボチやります) 目次 → 2.シミュレーション条件 |
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