シャープだと曇っていたらほとんど発電しないのか?
09.09.20更新(09.09.06新設)

我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
導入過程の重要ポイント、経験して初めて知った事など、体験談をご紹介します。

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上記広告主について、必ずしも管理人がその良否を確認できておりません。購入・契約の際にはご自身の責任でご判断ください。
「自己責任」の心の準備が出来ていない方にはクリックすることをお勧めしません。

1.はじめに


 「シャープだと曇っていたらほとんど発電しない。雨ふりの日でも発電するのはサンヨーだけ」

 掲示板に時々このような書き込みがあります。


   「え、ウッソー! シャープだって雨や曇りの日でも少ないながら発電してるぞ!」

 私も含め、シャープユーザとしては、そう反論したくなります。


   「雨ふりの日でも発電するのはサンヨーだけだって? 冗談じゃない!」

 京セラ、三菱の多結晶ユーザもそう言いたいのではないでしょうか?


 上記のような書き込みをする人に限って、定量的なデータは一切示さないものです。
 定性的な話に終始し、なんとなく「ふーん、そうなのか・・・」と思わせてしまう話術には関心してしまう。
 やり手の営業マンは、そんな才能の持ち主なのかもしれません。


 確かにサンヨー(HIT)の発電性能が良いことは認めます。
 しかし、客観的な事実として、多結晶に対して本当にそこまで性能が違うのでしょうか?
 営業トークやデモでは、そういう話は時々聞くけれど、少なくとも三洋電機が正式に公表しているもので、「雨や曇りの日の発電量が多い」という記載は見当たりません。
 (私が見つけることが出来ないだけで、存在するのかもしれません。ご存知の方は教えて下さい)


 このページは、これから導入する人たちに、より正確な情報を提供することを目的としています。
 あくまでも、「HITをけなす趣旨ではない」ことをご理解頂きたいと思います。


 さて、シャープユーザのお一人で、掲示板でも良く投稿してくださる、「りょく」さんが、とても貴重なデータをまとめて下さいました。
 そして、このサイトでの公開を快諾してくださったので、以下に掲載いたします。

2.「りょく」さんのグラフと解説

グラフ−1

解説(掲示板投稿の抜粋)


 我が家の発電実績から、発電量と日射量の関係のデータを取ってグラフにしてみました。

 5/1から8/28までの毎日の「全天日射量」と「単位容量当りの発電量」との関係をプロットしています。
 このグラフで、発電量は日射量にほぼ比例していることが判ります。 低照度時に発電量が落ちるという傾向は見られません。

 少なくとも我が家のシャープ製多結晶においては、 雨や曇で発電しないというような傾向は見られないことが判りました。 当たった太陽の光の量に応じて、ちゃんと発電してくれてます。


 補足説明:

 システム:シャープ ND-153AU×24枚 + JH-S6A2

 発電量はモニタに表示される毎日の発電量を記録しました。

 全天日射量のデータは気象庁発表の最寄観測点の値です。 全天日射量は水平面の計測値ですので、太陽光パネルが設置された傾斜面での日射量ではありませんが、この期間の南中時の太陽高度は70度から80度の範囲ですのでほぼ一定と考えて、傾斜面の日射量は水平面の日射量に比例するとしてそのまま比較してあります。

 また、気象観測点までは20km程離れてますのでその分の誤差も含まれています。

 5月から8月の場合、全天日射量(MJ/u)と、実際の天気は、概ね以下のような関係です。

  0〜10: 雨、雨後曇、曇後雨等など、雨を伴う天気。(日照時間0、平均雲量10の場合が多い)
 10〜20: 曇、曇後晴、曇一時晴など、曇がメインの天気。
 20〜27: 晴後曇、晴時々曇など、晴がメインの天気。
 27〜  : 晴、快晴

 グラフの点線の囲みは、大まかな範囲を示すものです。その中のすべてがその天気というわけではありません。
 あくまでも、我が家に設置された設備のデータですので、 これですべての多結晶が同じ結果になるということを示しているわけではありません。

3.管理人の考察(その1)


 上記のグラフ−1を見れば、全天日射量が0〜10(MJ/u)という日照量の少ない日でも、少ないなりに妥当な発電量であることは明らかです。「曇りや雨にほとんど発電しない」なんてことはありません。

 非常に貴重なデータを提供して頂きました。
 (さらに突っ込んだ解析もして下さっていますので、追々ご紹介できればと思います)


 さらに、既にこのような解析をして、ご自身のHPに掲載している方もいらっしゃいました。

 やはり、掲示板に時々書き込みをしてくださる、HOLOさんのサイトです。
 グラフは下記で見ることができます。

  2006年分 http://homepage1.nifty.com/holo/eco/solar06/eco06.html
  2007年分 http://homepage1.nifty.com/holo/eco/solar07/solar0702.html


  設備
  メーカー:シャープ
        太陽電池モジュール:NE-132AT(変換効率13.7%) 最大出力132W 24枚
        パワーコンディショナー:JH-L405(定格出力4.5kW )1台

  設置状況
    設置方向:南向き屋根1面、真南からおよそ西側25°寄り
    屋根の傾斜:4/10(およそ22°)


 発電量と全天日射量は、ほぼ比例の関係にあって、日射量の少ない場合(0〜10)であっても、日射量に見合った発電量であることが分かります。


 以上のように、お二人の解析結果から、

   「シャープだと曇っていたらほとんど発電しない」は間違い!

 と言って良いのではないでしょうか?


 それでは、シャープ以外ではどうなのでしょう?

 まずは、やはり掲示板で書き込みをしてくださる、「ツツピー」さんのデータをご紹介します。
 これは、三洋のHITで、発電量と日射量の関係のデータを取ってグラフにしたものです。

4.「ツツピー」さんのグラフと解説

グラフ−2

5.設置条件、その他


 ・パネル  三洋 HIP-210BKH  15枚 3.15kW

 ・方位と枚数
    南西 55°  6枚 :1.26kW
    南東 -35°  6枚 :1.26kW
    北東 -125° 3枚 :0.63kW

 ・傾斜角: 5寸勾配(≒26.6°)

 ・パワコン 三洋 SSI-TL27A1(定格2.7kW)

 ・接続箱  三洋 PVC-SNK6


【設置者のコメント】
 サンヨーのシステム構成では、210BKH×15枚の時は、4.0kwのパワコンとなっているのですが、
 北東面を含む多面設置ということで、あえて、2.7kwのパワコンで設置しました。

 たまに2.7kwに届くことがありますが、安定して晴れている時は最大でも2.5kwほどの発電量なので、
 今回のグラフに影響が出るほど、発電量が無駄になっていることは無いと思います。

6.管理人の考察(その2)


 HITの割に直線の傾きがやや小さいのは、北東面を含む3面設置だからだと考えます。

 このページで取り上げているのは、日射量の少ない時の発電量の挙動が、日射量の多いときと比較してどうなのか? そして、その挙動がメーカーによって異なるのか? ですので、直線の傾きの絶対値は問題ではなく、直線性が保たれているかに注目して議論します。

 さて、グラフを見ると、原点を通る直線(比例)に対して、プロットが上側にも下側にも同じ程度にバラついており、全体として、全天日照量に対する発電量は、ほぼ比例していると考えて良さそうです。
 グラフー1と比較して、全天日射量が0〜10(MJ/u)という日照量の少ない場合、HITだからと言って特に発電量が多いという傾向は見受けられません。日射量なりの発電と言うのが妥当でしょう。

 今のところ、データが一つしかないのですが、このグラフを見る限り、HITが多結晶に比べて「雨や曇りの日に強い」という説とは相反する結果でした。

 より正確を期すため、ぜひHIT設置者の方々に同様のデータを提供して頂くようお願いします
 もちろん、他のメーカー品のデータも歓迎します。


 ところで、ご提供頂いた7/8〜9/5の60日間の単位容量当りの発電量の総和は「197.06kWh」でした。

 もしも、日照量の少ない時に比例直線を上回る発電性能を持つパネルが存在したとしたら、発電量の総和にどのくらい影響するのかを試算してみました。
 自分ではかなり大胆な仮定だと思うのですが、全天日射量が5〜10(MJ/u)の場合、発電量を1.25倍(+25%)し、全天日射量が0〜5(MJ/u)の場合、発電量を1.5倍(+50%)し、それ以外は実測値どおりとして、単位容量当りの発電量の総和を求めると、「203.0775kWh」でした。

  203.0775kWh÷197.06kWh≒1.03

 理論的にあり得ないかな? と思われるほど大胆な仮定で計算しても、発電量の総和に対する影響は、高々約3%という結果でした。つまり、元々発電量の少ない条件下でちょっとくらい発電性能が良くても、全体の発電量に対する寄与は少ないということです。

 やはり、HITが多結晶と比較して単位容量当りの年間発電量が多いのは、「雨や曇りの日の発電量が多いから」ではなく、「晴れの日にパネルの温度上昇による効率低下が少なくて発電量が多いから」という、メーカーが謳っている通りの理由ではないでしょうか?


 次に、掲示板でよく書き込みをしてくださる、「CIS発電所所長」さんのデータをご紹介します。
 昭和シェルのCISパネルのデータです。

7.「CIS発電所所長」さんのグラフと解説

グラフ−3

8.設置条件、その他


 ・システム  昭和シェル 3.395kW

 ・方位  南南東

 ・傾斜角: 5寸勾配(≒26.6°)


【設置者のコメント】
 最寄の全天日射量観測点から設置地点まで、直線で35キロくらい離れてますので、精度は余り高くないかもしれません。

6.管理人の考察(その3)


 設置者のコメントにもあるように、最寄の全天日射量観測点から設置地点まで離れているためか、データのバラツキが大きいように感じます。全天日射量の観測点は少ないので、これは致し方ないと思います。

 3月〜6月と季節(気温)の変わり目の期間なので、月毎のデータで直線近似をしてみました。

 バラツキが大きいながらも、全天日射量が0〜10(MJ/u)という日照量の少ない条件で、特に発電量が多いという傾向も少ないという傾向も見受けられません。ほぼ日射量なりの発電量と考えます。


 ここまで、シャープ2例、三洋1例、昭和シェル1例の計4例をご紹介しましたが、各社のシステムともに、全天日射量に対する発電量はほぼ比例関係にあり、全天日射量が少ない条件下でも、日射量に見合った発電量であることが分かりました。


 現在のところ、提供して頂いているデータは以上ですが、今後も同様の解析結果を広く求めます。
 皆様のご協力をお願いいたします。(09.09.20)






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