太陽光発電の普及と普及推進策に関する考察
12.05.06更新41版(08.08.24新設)

我が家ではオール電化(エコキュートとIHクッキングヒーター)&太陽光発電をリフォームで導入しました。
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1.過去の失政−2003〜2004年が転機だった−
(08.08.24執筆、08.08.30加筆・修正)


 太陽光発電の普及と補助政策について考察するにあたり、まずは今までの実績を振り返ってみる。

 Fig.1−1に示したのは、太陽光発電の国内出荷量(単位:[MW])の推移である。
 (出典:JPEA(太陽光発電協会)ウェブサイト、「統計・資料」)

 国内出荷量は2005年をピークに減少に転じている。
 2006年、2007年と大幅に減少し、「さあ、大変!」と政府も慌て始めた。

Fig.1−1


 しかし、この減少をもっと早く察知できなかったのだろうか?

 Fig.1−2は太陽光発電の国内出荷量の前年比の推移を示している。2001年の値は、1998年〜2001年の平均値で代用している。
 1998年〜2002年には、前年比プラス50%の勢いで順調に出荷量が伸びていたが、2003〜2004年にかけて、一応プラスながらも急激に減速し始めていたことが分かる。

 出荷量の前年比を見れば、既に2003〜2004年から伸び悩みが始まっていることに気付いたはずだ。

Fig.1−2


 補助金の最終年度は2005年である。
 なぜ、2003〜2004年から伸び悩みが始まったのだろうか?

 Fig.1−3に示したのは、太陽光発電の実売価格(1kWあたり)の推移である。
 (出典:新エネルギー財団
  平成19年度 住宅用太陽光発電システム価格及び発電電力量等について

 青い菱形が市場価格を示している。
 市場価格の底値は2005年の66.1万円/kWで、その後は若干上昇に転じている。

 ピンクの四角がNEF(新エネルギー財団=国)からの補助金額の推移である。
 1kWあたりの補助金額は年々減少し、2005年度を最後に無くなった。

 補助金を差し引いた、設置者が実際に負担した「実質価格」を緑の三角で示す。
 補助金額の急激な減少に伴い、「実質価格」は既に2003年に底打ちし、その後は上昇に転じている。設置者にとって、既に2004年から値上がりが始まっていたのだ。

 「補助金を止めた」以前に、「補助金を大幅減額した」時点で減速が始まったのも当然と言えば当然の結果であろう。

Fig.1−3


 Fig.1−4は前出の国内出荷量と併せて、NEFの補助金を受けて設置された分を示している。
 (出典:新エネルギー財団
   年度別・都道府県別 住宅用太陽光発電システム導入状況
   (導入件数・設備容量)がまとまりました(2007年度末時点)

 国内出荷量の実に7割以上が国の補助金を貰って設置されていたことが分かる。
 太陽光発電は「まだ補助金無しには普及しない未成熟の商品だった」と言えるのではないだろうか?

 2005年度で普及推進策を止めてしまったのは時期尚早と言わざるを得ない。

Fig.1−4


 もうひとつ、忘れてはいけない重要な出来事が2002年に起こっている。
 RPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の制定だ。
 (2002年12月施行)

 『電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法の運用に関する留意事項等(平成15(2003)年2月13日付けの経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長通知)』には、なんと、

『新エネルギー等電気相当量に係る上限価格は1kwh 当たり11円とする(なお、これをもって、太陽光発電又は風力発電(事業目的を有しないもの)の発電設備から販売電力料金単価で余剰電力を購入するすることを妨げるものではない)』

と記載されている。

 電力会社が『自主的に』販売電力料金単価で余剰電力を購入するのは構わないが、原則的には1kwh 当たり11円と定めてしまったのだ。

 各電力会社の余剰電力購入メニューにも、「販売電力料金単価で余剰電力を購入するのは、商業的に十分普及するまでの暫定処置」であることが書かれている。

 つまり、いつの日にか、1kwh 当たり11円になってしまう可能性があるのだ。

 この法律が、太陽光発電の設置意欲を少なからず削いでしまったと考える。

 この法律にはさらに欠点がある。電力会社に対して、一定量の再生可能エネルギーによる電力の利用を義務付けているのだが、その目標値があまりにも低いのだ。
 2010年までに達成するべき導入量は、年間122億kWh。これは全販売量のわずか1.35%にすぎない。そのため、再生可能エネルギーの利用促進どころか、むしろ利用を抑制してしまっている。



 ここに興味深いデータがある。
 Fig.1−5に、国内出荷量ともに、海外出荷量の推移を示す。
 (出典:JPEA(太陽光発電協会)ウェブサイト、「統計・資料」)

 2004年度、海外出荷量が国内出荷量を抜いた
 この2004年度とは、NEFの補助金が大幅に減った(−4.5万円/kW)年である。
 パネルメーカーは、国内の普及推進策の後退を受け、国内市場に見切りをつけたのではないだろうか?

 また、2003年以降のユーロ高も欧州への輸出を促進したと思われる。儲からない日本で売るより、儲かる欧州で売る。「営利企業として当然の行動」だ。

 まさに、「2003〜2004年度が転機だった」と言えるのではないか?!

Fig.1−5


 国の政策に歩調を合わせるように地方自治体の補助も伸び悩んでしまった。

 Fig.1−6は、太陽光発電の導入を支援する自治体の数の推移である。

 (出典:新エネルギー財団
 
2008年度 住宅用太陽光発電システム設置に対して支援する自治体について
  (平成20年6月24日 更新)


 
「2004年度をピークに」、支援する自治体数が減少に転じてしまった。これも普及が進まなくなった大きな要因と思われる。

 平成の大合併で自治体数自体が減っている影響もあるかもしれないが、合併で吸収された自治体は元々財政が厳しかったであろうから、合併前に支援をしていた自治体の数は少なかったのではないだろうか?

Fig.1−6

 

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